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お子さんの体にいつの間にかあざができていて「いつできたんだろう?」と不思議に思った経験はありませんか?
「元気な証拠」と軽く考えてしまいがちですが、そのあざ、もしかしたら病気によってできたものかもしれません。
今回はあざができる病気「アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病)」についてみていきたいと思います。

 

アレルギー性紫斑病とは?

どこかにぶつけた訳でもないのに、体に紫色のあざができる病気を総称して「紫斑病」と呼びます。
紫斑病にはいくつかの種類がありますが、毛細血管に炎症が起きて切れてしまい、皮膚や粘膜下にあざができるものを「血管性紫斑病」といいます。
そして、その血管性紫斑病の中でも、特に子供に多くみられるのが「アレルギー性紫斑病」なのです。

かかりやすいのはどんな人?

アレルギー性紫斑病は、主に15歳以下にみられ、大人の発症は少数です。
特にかかりやすいのは3?10歳の小児で、2:1の割合で男児に多くみられます。
小児では最も発症頻度の高い血管炎で、1年間に10万人あたりで10?20人が発症しています。

原因は?

はっきりした原因は不明ですが、免疫システムの1つであるIgA抗体の異常により、アレルギー反応が起こり、血管の炎症が引き起こされるのではないかと考えられています。

発症するきっかけは?

およそ50%の症例で細菌やウイルスへの先行感染が確認されています。
細菌感染の代表的なものにはA群溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、ブドウ球菌感染などがあり、
ウイルス感染の代表的なものには、風邪、風疹、はしか、水ぼうそう、肝炎などがあります。
一般的にはこれらに感染してから1?2週間後に発症することが多いと言われています。
また、感染症以外にも、薬剤、食べ物、虫刺されなどにより発症することもありますが、発症までのメカニズムはわかっていません。

症状は?

主な症状は以下の5つです。

  • ①あざ(出血斑)
  • わずかに盛り上がったあざが、主にお尻や、膝から足首にかけて、両側に対称的にでき、場合によっては上肢・胴体・顔などの上半身に広がることもあります。
    はじめはじんましんの様な痒みを伴う赤色の湿疹ができて、徐々に紫色のあざに変化するという経過をたどります。

  • ②関節症状
  • 発症者のうち2/3もの人に、関節炎や関節痛などの関節症状がみられます。
    一般的に両側でみられ、主に足や手の関節で起こります。
    激しい痛みで歩行困難になったりと、日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。

  • ③腹部症状
  • 発症者のうち半数に見られる症状です。
    非常に強い痛みが反復して起こり、激しい痛みにより嘔吐してしまうこともあります。
    血便や、陰嚢・精巣の痛みや出血を伴うこともあります。

  • ④むくみ(浮腫)
  • 足関節・腹部・背部・顔面・頭部など、様々な部位に痛みを伴うむくみが現れます。

  • ⑤鼻血
  • 鼻血も出ることが多いですが、「突発性血小板減少性紫斑病」という病気の可能性もあるので注意が必要です。
    突発性血小板減少性紫斑病は、難病指定されている紫斑病の一種で、紫斑と出血以外の病状がないのが特徴です。
    鼻血が頻繁に出たり、歯茎や尿などにも出血が見られる場合には、突発性血小板減少性紫斑病の可能性も考えられるので、早急に医師に診断してもらう必要があります。

 

合併症にも注意!

紫斑性腎炎

アレルギー性紫斑症の合併症として「紫斑性腎炎」という病気があり、アレルギー性紫斑症患者の約3割に見られます。
紫斑が現れた後1?3ヶ月以内の発症が多いですが、まれに1年異常経過してから発症することもあります。
血尿・タンパク尿やむくみなどが主症状で、重症化すると腎不全になることもあります。
重症化を防ぐためにも、アレルギー性紫斑病に罹った後は、定期的な尿検査をしていくことをおすすめします。

腸重積症

アレルギー性紫斑病による出血が、腸などの消化管で起こると、腸の中に腸の一部が潜り込んで重なる「腸重積症」という病気が引き起こされることがあります。
潜り込んだ腸は、血管が圧迫されることにより、最悪の場合壊死してしまうこともあります。
血便や嘔吐などの症状が見られる時には、早急に病院で検査をしてもらうことが必要です。

 

アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病)を治したい!

治療法は?

現時点では、アレルギー性紫斑病に対する特効薬はありません。
急性期には安静を保ち、症状が紫斑のみの場合は経過観察、他の症状もある場合にはそれらを抑えるための投薬治療が行われます。
関節痛にはアセトアミノフェンや経皮鎮痛消炎剤を用い、関節痛や腹痛が激しい場合にはステロイドを点滴や注射することもあります。
また、先行感染への対処として抗生物質などを投与することもあります。
ほとんどの場合、1ヶ月程度で回復に向かいますが、出血や腹痛が酷い場合には入院治療が必要なこともあり、入院治療は長期化することが多いです。
また、上述した紫斑性腎炎を合併した場合は、専門医による管理も必要になります。

 

日常生活でも注意が必要

急性期には安静にする必要があるため、運動は避けます。
運動することで、静脈圧が上がると紫斑が再発しやすくなるからです。
また、気温が低くなる秋?冬に発症しやすいことから、体が冷えると悪化すると言われています。
寒い日の外出はできるだけ控え、体を冷やさないように注意することも大切です。

 

アレルギー性紫斑病がどんな病気かがわかりましたね。
アレルギー性紫斑病は、数ヶ月間は再燃の可能性もありますが、多くは予後良好の病気です。
単なるあざとあなどらず、今回ご紹介した症状を参考に、少しでも気になることがあれば、早めに受診することが大切です。